こんにちは。
「相続対策はバッチリです。税理士さんと何度も打ち合わせしました」
そう自信を持って話してくれた不動産会社の社長。でも、こう続けました。
「でも、認知症対策って具体的に何をすればいいのか、正直わかりません...」
多くの経営者は相続対策には熱心です。
でも認知症対策となると、具体的に何をすればいいのか分からない方がほとんどです。
もし認知症対策は相続対策の「10倍重要」と言われたら?
その理由は単純です。
相続は一瞬。
認知症は何年も続くから。
相続は亡くなった瞬間に始まり、手続きは大変でも一定期間で終わります。
しかし認知症は、早ければ10年以上続くこともあります。
その間ずっと:
- 会社の重要な判断ができなくなる
- 銀行口座や財産が凍結される
- 自社株の議決権が行使できない
- 取引先との契約更新ができない
- 不動産の売却や担保設定ができない
この状態が何年も続くのです。
ある建設会社の社長さんは、お父様の認知症が進んだ後、「銀行融資の条件が守れない」「取引先との約束が履行できない」という壁にぶつかり、会社の信用を大きく損なうことになりました。
「相続の準備はしていたのに、まさか生きている間の方が大変だとは...」
それは後悔の言葉が今も耳に残っています。
経営者が認知症になると失う3つのもの:
- 経営権
自社株の議決権が行使できなければ、重要事項を決議できません。M&Aも、資本政策も、すべてストップします。 - 信用
「社長の判断能力に問題がある」と知れれば、取引先、金融機関、従業員...すべての信頼が揺らぎます。 - 機会
ビジネスチャンスは待ってくれません。判断できない間に、競合が先に進んでしまいます。
でも、安心してください。
適切な準備をすれば、これらの状況は100%防げます。
その方法はそれほど複雑ではありません。
ある IT企業の創業者(68歳)は、家族信託と民事信託を組み合わせて、自社株の議決権を息子に託しつつ、配当は自分が受け取れる仕組みを作りました。
その2年後、軽度の認知症と診断されましたが、会社は何の問題もなく成長を続けています。
「準備していなかったら、今頃会社はどうなっていたか...」
創業者の言葉に、対策の重要性を感じます。
次号は「家族信託で実現する『争族』回避のポイント〜後継者選びで家族が崩壊する前に〜」をお伝えします。