こんにちは、認知症・相続みらい相談室です。
先日、こんなご相談がありました。
「父が元気なうちに任意後見の手続きをしました。
でも、いざ認知症が進んだら、実家を売ることもできないと言われて…。
もっと早く知りたかったです」
実は「任意後見を済ませた=万全」と思っている方、とても多いんです。
でも、もう一つの選択肢を知っているかどうかで、ご家族の未来が大きく変わります。
「任意後見」と「家族信託」——何が違うの?
ひと言で言うと、こうなります。
| 任意後見 | 家族信託 | |
|---|---|---|
| 目的 | 本人の財産を減らさず守る | 家族が財産を柔軟に使える |
| 裁判所 | 監督人がつく(毎月コストあり) | 関与なし(コストなし) |
| 実家の売却 | ❌ 制限が厳しい | ✅ 家族の判断でできる |
| 相続対策の継続 | ❌ 原則できない | ✅ あらかじめ決めた方法でOK |
| 介護契約など | ✅ 得意 | ❌ これは対象外 |
つまり——
- 任意後見は「生活面のサポート」が得意
- 家族信託は「お金と不動産の管理」が得意
全く役割が違うんです。
一番賢いのは「組み合わせる」こと
実は、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
生活のサポート → 任意後見
お金と不動産の管理 → 家族信託
この2つを組み合わせるのが、一番安心な方法です。
あるご家族のケースでは、この組み合わせのおかげで、お父様が認知症になられた後も——
- 裁判所の許可を待たずに実家をスムーズに売却
- その資金でご本人が希望していた施設に入居
- 同時に、入院手続きなどの生活面は任意後見人がサポート
ご家族は「あの時、両方やっておいて本当に良かった」とおっしゃっていました。
「うちはどうしたらいいの?」と思ったら
- 任意後見だけで足りるのか
- 家族信託も必要なのか
- 両方やるとしたら、どう進めるのか
ご家族の状況によって、ベストな答えは変わります。
「まだ元気だから大丈夫」——親御様がそう笑っている今が、一番いいタイミングです。
認知症・相続みらい相談室