昨年、ある会社の担当者から心配そうな声で相談されました。
「社長が急に入院して3週間。
お金を払う印鑑も、金庫のカギも、社長だけが持っています。
50万円以上のお金を払うことが誰もできず、大事なお取引が止まってしまいました」
その後、どうなったか。
お客さんへの支払いが遅れて、信用を失いました。
給料を払う日が来ても、社長がいないから従業員にお給料が払えない。
本当に大変なことになってしまったのです。
驚く事実
私は25年以上、たくさんの会社の社長さんと一緒に仕事をしてきました。
その中で気づいたこと。
「社長がいなくなったときに、誰が会社を動かすのか」について、きちんと準備している会社は、思った以上に少ないのです。
ある会社の社長さんが、交通事故で2ヶ月入院しました。
退院した後、その社長さんが私に言いました。
「自分がいなくなるなんて、本気で考えていませんでした。こんなに大変なことになるなんて…」
この気持ちは、私が出会った多くの社長さんが感じていることなんです。
「もし自分がいなくなったら」と、考えたことはありますか?
元気で健康な人ほど、この問題から目をそむけてしまいます。
でも、現実は変わりません。
いつ、病気になるか。
いつ、事故に遭うか。
誰にもわかりません。
だからこそ、今すぐ準備することが大切なのです。
緊急時に見直すべき、3つの大切なこと
1. 誰がどのくらいのお金を使っていいのか、きちんと決めておく
- 100万円までは部長さんが決める、1000万円までは専務さんが決める…みたいに、金額によって決める人を分ける
- 社長がいない時は、誰が次に印鑑を押すのか、順番を決めておく
- その決まりを紙に書いて、みんなに知らせておく
大切なこと:「ん~、この場合どうする?」という迷いは、問題を大きくします。
2. 銀行からお金を引き出すときのルールを直しておく
- いくつかの銀行について、複数の人が印鑑を持つようにする
- 一定のお金までなら、社長以外の人も引き出せるようにする
- インターネットバンキングの権限も、今すぐ確認する
大切なこと:「社長の印鑑がないと、1円も引き出せない」という状況は、今すぐ変えましょう。
3. 法律的に確実にしておく
- 「緊急時対応計画書」を作成し、公正証書化する
- 家族信託や遺言信託などの法的仕組みを検討する
- 取締役会で正式な承認を得て、議事録を残す
大切なこと:口で「大丈夫」と言うだけではなく、紙と法律で確実にすることが大事です
本当にあった話:準備があるかないかで、全然ちがった
ある社長さんが、脳の病気で倒れました。
その会社は、3ヶ月前に「もしもの時」の準備をしていました。
結果は、びっくりするくらい違いました。
社長さんが入院中も、会社は普通に動きました。
従業員さんへの給料も、お客さんへの支払いも、全部予定通りです。
その専務さん(社長さんの息子さん)が、こう言ってくれました。
「父が入院したのは、本当に大変で悲しいことです。でも、会社は普通に動いています。
前もって準備してくれたおかげです。
もしこの準備がなかったら…」
その先には、とても大変なことが待っていたはずです。
あなたの会社は、大丈夫ですか?
- 社長さんの印鑑が、社長さんだけしか持っていないのではないか
- 大きなお金を引き出すときは、社長さんの許可が絶対に必要になっていないか
- 「もしもの時はどうする」という計画書が、どこにもないのではないか
今、「あ、そういえば…」と思ったことがあれば、それは「今すぐ対策しましょう」という合図です。
明日かもしれません。
来週かもしれません。
誰にも、いつ何が起きるかはわかりません。
だからこそ、今日から見直してください。